「表現教育の必要性とは?」 ★表現とは何か? ひと言で言えばコミュニケーションだと思っています。 ★舞台演劇とは芸術なのか、エンターテインメントなのか? 人それぞれ意見はあると思います。芸術なら自分が最高と思えるものを創るだけだが、エンターテインメントなら、目の前のお客さんを楽しませて初めて意味が生まれます。 役者の勉強を始めたころ「会話のキャッチボールが出来ていない」ということを良く言われました。「相手が投げて来たボールを受け取らず、自分が用意したボールを投げてるだけだ」 今ならその指摘も分かりますが、当時は意味不明でした。 ★コミュニケーションとは何か? 簡単に言うと「受信」と「発信」です。同じセリフであっても、その言葉に込められた感情や言い方は毎回違います。なのに最初のころは、それを無視して台本から読み取り用意したセリフをただ言っているだけでしかなかったのです。 そして舞台ならば、相手役だけでなく、その時のお客さんと息を合わせて演じて行くという、お客さんとのコミュニケーションも必要になって来ます。 ★なぜ実演家が教育現場へ行くのか? 表現力を高めると簡単に言ってしまいますが、実際にはそこに至るまでにたくさんのハードルがあります。子供は自分の心に嘘をつけません。大人はやりたくなくても自分の心に嘘をついて行動に移せますが、子供はやりたい気持ちにならなければ行動に移せないのです。だからこそ実演家が、その感性で子供たちの表現の種を見つけ、拾い上げて火をつけていくという作業が有効になって来ます。 そして表現教育の一番の重要な点は、体験を通して学んでいくということに尽きると思います。時には少人数で、またある時にはクラス全員で協力して何かを創り上げていくという体験は、知識を得るのではなく気づきという点で成果を発揮出来るものと考えます。 ADEF幹事 石川健二
表現教育花伝舎倶楽部(ADEF)では、 久々に、対面での公開セミナーを開催します。 「演劇的手法で考える道徳授業の可能性」 ゲスト講師=渡辺貴裕先生 (東京学芸大学・大学院教育学研究科 准教授) 日時=2024年1月26日(金) 19:00-21:00 場所=東京芸術劇場 ・ミーティングルーム7 (池袋) 参加費=ADEF会員無料 臨時会員会費1000円 (会場の都合で、 会員外の方は8名まで受け付け adef.kadensya@gmail.com まで ご連絡、お申込みください。 定員に達する前でしたら 参加可能の返信をお送りします。) 内容は、道徳教科書にある教材を 演劇的手法を使うことで徳目誘導型でもなく、かといって道徳教育のねらいを無視するでもなく、 道徳の授業の可能性を広げてみようと、 一緒に考える会です。 渡辺貴裕先生 プロフィール 東京学芸大学教職大学院准教授。 専門は教育方法学。 「学びの空間研究会」を主宰し、 小中高の現場の先生方とともに、 演劇的手法を用いた授業の可能性を 実践的に追求してきている。 演劇教育・ドラマ教育関連の実績に関して、日本演劇教育連盟(2010年)、 全国大学国語教育学会(2012年)、 日本教育方法学会(2016年)より受賞。 著者として 「なってみる学び ―演劇的手法で変わる授業と学校」 (共著、時事通信出版局、2020年)、 「小学校の模擬授業と リフレクションで学ぶ 授業づくりの考え方」 (単著、くろしお出版、2019年)、 「ドラマと学びの場」 (共編著、晩成書房・2014年)など。