6月17日に、子どもの発達科学研究所による「いじめ予防プログラム」ベーシック講座に参加しました。
とても(実際にできれば)素晴らしい講座でした。
NHKで大阪府吹田市が全市をあげていじめにこの方法を取り入れている様子が特集されました。
https://www.nhk.jp/p/special/ts/2NY2QQLPM3/episode/te/X74J2R3V53/
ベーシック講座はZOOMのオンラインです。
事前に申込、入金後に緻密なレジュメが郵送されてきました。
事前資料映像もあり。ベーシックの次に、アドバンスクラスがありますが、残念ながら私は非常勤の仕事と重なり
今期は断念します。アドバンスを終了すると、実際に学校などで子どもたちにそのプログラムを実施することができます。
さて、ベーシック講座当日、3時間半、画面に集中することに。
講座を受けながら、これはいじめの学びだけでなく、確実に現代社会の出来事を端的に表しているのだな、と感じることとなりました。
内容ですが、 いじめが起きた時に、クラスの中での被害者、加害者を除く6〜7割が傍観者=サイレント・マジョリティであるということ。それで、その傍観者がどの様に振る舞うかで、その後の流れが決まること。だから、傍観者であるサイレント・マジョリティが、いじめ加害に対してNOとはっきり態度を示すことでいじめは減らせるということです。
もしも、放置した場合、傍観者は無言の加害者に変容し、いじめをクラス全体が容認する空気を醸成すること。
そうならない為にも、傍観者教育をするのが大変、重要であるというのが、主な内容でした。
しかも、恐ろしいことに、いじめの被害者、加害者がその後の青年期に、社会不適応、犯罪、鬱病や引きこもりなどを後遺症的に起こしやすくなっていく確かな統計があり、社会的な影響が長時間続くことになるわけです。
また、先進国で調査されている内、日本だけがいじめの認知件数が増えていっていることから、現在の教育行政のいじめ対策には、現実との齟齬があることが統計的に判明しているということです。
もっと恐ろしいのは、傍観者であったはずの児童生徒も、いじめを見て見ぬふりすることで、加害者の域に踏み入れやすくなるということや、助けられなかったことでもトラウマを抱えるという話です。
よく、言われる「自業自得」の被害者バッシングは、確実に加害者を増やし、将来にわたってその学校風土を腐敗させていくということです。いじめ風土は「何をしても無駄、強いものが勝つ」という空気を蔓延させるそうです。
実は私も実際に経験があります。うちの長男が小1の時にある事件に巻き込まれ、校長先生と話しあった時、その前の校長の時代にいじめがまん延していたにも関わらず、見て見ぬふりで対策がほとんどとられなかった為に、当時はとんでもない状態でした。
校長先生は、今、建て直しているのだと、苦しそうに話してました。
実際にその二年後には、かなりの改善がされました。そして、小学校の担任の先生が指導で行っていたことは、そのいじめ予防プログラムとほぼ同じ対応でした。
ここで、はたと気が付いたのは、大人の社会で行われている、若年女性支援者や障碍者やLGBTへの迫害、貧困家庭へのバッシング、それらを見て見ぬふりをする大多数の傍観者が存在することで、その差別とかバッシングは容認されて、生き辛い社会が生まれていく循環が起きているのだな、ということです。
コミュ教の枠組みとは直接関係ないのですが、私達が活動する際、児童生徒に「それ、おもしろいね」「やってみようよ」「とてもいいね」と声掛けを心がけています。たくさん、声掛けして活動しやすい雰囲気を作り出します。
学校での活動は、場合によってはうまくいく時も行かない時もあります。それで、勇気を出して表現をやってみた生徒に、私たちが肯定的な声掛けするのは、とても意味があることなのだ、といじめ予防プログラムを受講して再確認できました。今年は残念ながら、コミュ教に参加できませんが、様々な活動現場をいっしょに開拓しましょう。
6月〜7月にかけて、NPO法人翔和学園さんに、お試しでお邪魔します。とっても楽しみです。
嶽本あゆ美
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